スキンケア研究所

肌の基礎知識

表皮のしくみと働き

皮膚を構成する3層の中でも一番外側にある表皮。では、表皮と言ってもさらに4層に分かれていることをご存じでしょうか?
表皮内で何が起こっているのかを理解すると、美肌を求める私たちがするべき最も必要なお手入れ方法が見つかるかもしれません。
今回の記事では、表皮にフォーカスして詳しくご紹介します。

1:表皮の働きってなあに?

皮膚の中でも目に見える部分である表皮は、いわゆるお肌のケアに最も関係の深い部分と言えます。表皮は4層から成り立っていますのでここでは各層の名称とその役割をそれぞれ解説します。

●表皮の一番下の層である「基底層」
基底層とは、薄い膜となって表皮の下にある真皮と接合している層です。たがいに絡み合うように波形を描き、真皮から毛細血管を通じて栄養を吸い上げながら細胞分裂を繰り返し、新しい皮膚を生成しています。この機能を正常に行うには、毎日の食生活や睡眠、ストレスなどの体内環境が大きく関わってきますので、規則正しい生活習慣を心掛けるとよいでしょう。

●基底層の上にある「有棘層」
有棘層は数層から10層くらいの細胞が並んで出来ており、表皮の4層の中でも1番厚い層です。基底層と同じように様々な細胞を含み分裂を繰り返しています。

●有棘層の上にある「顆粒層」
顆粒層は1~2層の細胞で出来ています。その中には、紫外線を反射させて深部に浸透することを防止する役目を果たしているケラトヒアリン顆粒が大量に含まれています。

●一番外側にある「角質層」
角質層は、上記で述べた層で押し上げられた細胞が、その役割を終えて最後にたどり着く層です。角質層まで来ると、いわゆる死んだ細胞がパイの表面のように10~20層にも連なってできており、肌の表面に留まっています。一般的によく聞く角質とは、この部分ことを指しています。角質は通常、肌の新陳代謝にのって自然に剥がれ落ちます。
角質層は吸水性や保湿性に富んでいる層のため、正常な状態だと15%~20%の水分を含んでいます。私たちが化粧水や美容液を塗って潤いを与えているのもこの角質層です。水分以外にも天然保湿因子やアミノ酸、乳酸といった成分も保持されています。もし、肌が乾燥していると感じた場合は、角質層が乱れている状態だと判断することもできます。
それ以外にも、刺激から自らを守る役割や、細菌や紫外線からの防御、水やその他物質の体内への侵入を防ぐといった重要な役割もまた、この角質層です。

2:表皮を構成する細胞とは?

表皮を構成する細胞の90%以上を占めるのは、ケラチノサイトと呼ばれる角化細胞です。基底層で生成されたケラチノサイトは、有棘細胞、顆粒細胞、角質細胞とその形を変えて徐々に上に押し上げられ、角質層にとどまったのち角片となり細胞の役割を終えます。終止符を迎えた角片は、いわゆる角質となって剥がれ落ちます。
新しい細胞として生まれてから角質となって剥がれ落ちるまでは、通常約28日間で、この周期をターンオーバーと呼びます。
ですが、外的要因や加齢など様々な原因を受けてこの新陳代謝は弱まり、通常の周期が徐々に長くなることでターンオーバーが乱れてしまいます。
その原因の1つには、古い角質が剥がれ落ちていないことが挙げられます。

3:美しい肌を目指すには

美しい肌は、皮膚のターンオーバーがあってこそ作られます。角質が剥がれ落ちないと、いくら高級な化粧品を使ってケアしても、浸透が弱まり保湿力が劣ります。また、肌触りや肌色にも影響し、ザラツキや乾燥、くすみや黒ずみと言った症状にもつながってきます。これらを解消するのは表面に留まった剥がれ落ちるべき角質を取り去ってあげ、乱れたターンオーバーを整えることが大切です。

そこで毎日のスキンケアに取り入れられることとして有効なのは、ピーリング石鹸による洗顔です。ターンオーバーを整えてあげることができるので、表皮の働きを味方につけて、健やかで美しい肌を保つことに役立ちます。ぜひ、取り入れてみてくださいね。

※2016年12月15日時点の情報となります。このページに掲載されている情報が最新のものではなくなっている場合がございます。予告なく内容変更をする場合がございますので、あらかじめご了承ください。