スキンケア研究所

肌の基礎知識

角質層のメカニズムと防壁機能

よく、化粧品のパッケージなどで、「角質層まで浸透する」などという言葉を見たり聞いたりしたことはありませんか?角質層は化粧品ととても関係の深い部分です。そこで今回は、角質層とは何か。その機能や仕組みをご紹介します。

1:角質層ってなあに?

肌に潤いがある、スベスベしている、ツヤがあるなど、いわゆるキレイな肌を象徴する質感は、表皮の一番上の角質層の働きが正常である時に成り立ちます。では、角質層はどのような役割があるのでしょうか?

角質層は、吸水性や保湿性に富んでいます。トラブルのない正常な状態では水分を15%~20%程度含んでいます。角質細胞の中にあるNMF(天然保湿因子)には水分を保つ働きがあり、角質内部の潤いを保っています。
NMF(天然保湿因子)は、アミノ酸や乳酸と言った有機酸と呼ばれる成分から出来ており、通常私たちの皮膚は適度な量を自ら作り出しています。ですが、この角質層になんらかのトラブルがある、いわゆる肌が荒れている状態では、アミノ酸量が減っているとされています。健やかな美しい肌を目指そうとする場合、このNMF(天然保湿因子)は絶対に欠かせない存在です。これらを保つには、毎日の補水と保湿のスキンケアが重要な役目を果たします。アミノ酸やセラミド、ヒアルロン酸やビタミンなどの成分が入った製品を選び、洗顔後すぐに十分に潤いを与えてあげましょう。

2:角質層の保護作用とは?

角質層は吸水性や保湿性以外にも、以下のような防壁機能を持ち合わせています。

●外力への対抗
例えば力仕事でマメができたり、紫外線を浴び続けると皮膚が厚くなったりするように、角質層は刺激を繰り返すと外的刺激から自らを守ろうと皮膚を厚くする性質があります。

●化学物質や細菌からの防衛
角質層には弱酸性の皮脂膜がありますが、これらは細菌などの物質から自らを守る役割をしています。

●水やその他物質の体内浸透の防御
お風呂に入ったり、プールに入ったりしても、体が水ぶくれにならないのは、水やその他の物質の体内への浸透を阻止しているからです。反対に、皮膚にとって必要な水分やたんぱく質などが外に漏れないように防いでいるため、角質層に水分保持力があるのはこの二面性を持っているからです。

●紫外線からの防御
肌老化にもっとも影響を与える、紫外線。角質層は皮膚表面で反射する役割も持ち合わせています。

このように、角質層はたくさんの役割を持っています。だからこそ、この角質層の機能を正常に整えてあげることが健やかな皮膚を保つのに有効です。これらの役割を正常に動かすのもそうでないのも、角質層に溜まったいらない角質をいかに素早く落としてあげるかにかかっています。毎日のスキンケアにピーリング石鹸での洗顔を取り入れて、肌細胞の機能を高めるケアをしてあげましょう。

※2016年12月15日時点の情報となります。このページに掲載されている情報が最新のものではなくなっている場合がございます。予告なく内容変更をする場合がございますので、あらかじめご了承ください。