医師監修
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肌の基礎知識
角質層のメカニズムと防壁機能
よく、化粧品のパッケージなどで、「角質層のすみずみまで広がる」「角質層にうるおいを届ける」という表現を目にすることがあります。角質層は、化粧品と深く関わる部分であり、その仕組みや役割を知ることが大切です。
そこで今回は、角質層とは何か。その機能や仕組みをご紹介します。
1:角質層ってなあに?
肌に潤いがある、スベスベしている、ツヤがあるなど、いわゆるキレイな肌を象徴する質感は、表皮の一番上の角質層の働きが正常である時に成り立ちます。では、角質層はどのような役割があるのでしょうか?
角質層は、吸水性や保湿性に富んでいます。トラブルのない正常な状態では水分を15%~20%程度含んでいます。角質細胞の中にあるNMF(天然保湿因子)はアミノ酸や乳酸などの低分子の保湿成分が集まったもので、通常、皮膚はこれらを自ら作りだしています。水分を保つ働きがあり、角質内部のうるおいを保っており、主な構成は以下になります。
● アミノ酸:約40%
● PCA:約12%
● 乳酸塩:約12%
● 尿素:約7%
角質層になんらかのトラブルがある、いわゆる肌が荒れている状態では、アミノ酸量が減少することが知られています。健やかな美しい肌を保つためには、このNMF(天然保湿因子)は絶対に欠かせない存在です。
NMF(天然保湿因子)を守るためには、毎日の補水・保湿が欠かせません。アミノ酸、セラミド、ヒアルロン酸、ビタミンなどを含むスキンケア製品を選び、洗顔後すぐにしっかりと潤いを補いましょう。
また、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の方では、角質層に含まれる“うるおい成分”である遊離アミノ酸が、健康な肌の30〜50%ほどまで減ってしまうことがあります。これは、角質層のもとになる「フィラグリン」というたんぱく質の働きが関係していると考えられています。肌がゆらぎやすいと感じるときは、角質層がうるおいを抱え込みにくくなっているサインかもしれません。
角質層のうるおいを支える成分には、それぞれ大切な役割があります。
● セラミド
角質細胞のすき間を満たし、外からの刺激をガードします
● ヒアルロン酸
水分をしっかり抱え込み、肌の乾燥を防ぎます
● ビタミン類
肌をすこやかに保ち、キメを整えるサポートをします
どれか一つだけではなく、こうした成分をバランスよく補ってあげることで、角質層が本来の力を発揮しやすくなり、肌のうるおいと健やかさにつながります。
2:角質層の保護作用とは?
角質層は吸水性や保湿性以外にも、以下のような防壁機能を持ち合わせています。
■ 外力への対抗
例えば力仕事でマメができたり、紫外線を浴び続けると皮膚が厚くなったりするように、角質層は刺激を繰り返すと外的刺激から自らを守ろうと皮膚を厚くする性質があります。
■ 化学物質や細菌からの防衛
角質層には弱酸性の皮脂膜がありますが、これらは細菌などの物質から自らを守る役割をしています。
■ 水やその他物質の体内浸透の防御
お風呂に入ったり、プールに入ったりしても、体が水ぶくれにならないのは、水やその他の物質の体内への浸透を阻止しているからです。反対に、皮膚にとって必要な水分やたんぱく質などが外に漏れないように防いでいるため、角質層に水分保持力があるのはこの二面性を持っているからです。
■ 紫外線からの防御
肌老化にもっとも影響を与える、紫外線。角質層には、紫外線を一部散乱・反射して肌を守る“補助的な役割”があります。ただし、この働きだけで紫外線を十分に防げるわけではありません。そのため、紫外線を防ぐには日常的なUVケアを取り入れることが大切です。
このように、角質層はたくさんの大切な役割を持っています。だからこそ、この角質層の機能を正常に整えてあげることが健やかな肌づくりには欠かせません。角質層の機能を整えるためには、無理に角質を落としすぎないことがポイントです。
角質層のターンオーバーを妨げないよう、肌の状態に合わせて、適切な頻度と方法で角質ケアを取り入れることが大切です。
洗顔にピーリング石鹸を取り入れたり、拭き取りローションを使ったりと、やさしく角質ケアを行う方法もあります。肌に負担をかけない範囲で取り入れることで、角質層が本来の力を発揮しやすくなり、より健やかな肌を保ちやすくなります。

監修:COCO MEDICAL CLINIC(ココメディカルクリニック) 泉 さくら 院長
【所属学会】日本皮膚科学会皮膚科専門医
【所属学会】日本皮膚科学会皮膚科専門医
最終更新日: 2026年2月20日