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知っているようで知らない「シミ」の種類
一言で「シミ」と言っても実は種類があるということをご存知ですか?
代表的なものでは、老人性色素斑、肝斑、炎症後色素賃借、雀卵斑(ソバカス)、母斑の5種類があり、それぞれ顔のどのあたりに出るのか、形などでその傾向とケア方法は異なります。透明感のある美しい肌を目指すために、本記事ではこの5種類のシミを細かくご紹介します。自分の肌にシミが出ている方に詳しく知っていただくことはもちろん、今後の予防策としても是非参考にしてみてくださいね。
1:老人性色素斑(日光性黒子)
シミを表す場合、一般的にはこの老人性色素斑を指しています。特徴としてははっきりとした丸い形状の茶色いもので、最も多く見られるシミの代表格とも言えます。老人性色素斑の一番の原因は紫外線によるメラニン色素の過剰生成です。早ければ20代後半から、顔だけでなく、腕や手の甲、首周りなど日差しを浴びやすい部分にもできやすいシミです。
お手入れには、季節や天気にかかわらず、常に日焼け止めクリームなどのUV対策を行い、帽子やアームカバー、サングラス、日傘などで肌が直接紫外線に当たらないようにすることを心がけるとよいでしょう。
その上で、肌表面に溜まった角質を溜めないためのスキンケアを行ないましょう。ピーリング石鹸を使った洗顔を取り入れるのもおすすめです。
中高年のシミの約60〜70%を占めるとされています。
・メラノサイト(メラニンを作る細胞)が局所的に増える
・肌の表皮ターンオーバー低下する
といったことが関係しています。
そして、長年にわたる紫外線の蓄積が最大の要因です。
・老人性色素斑は、メラニンが肌に沈着すること自体が原因
・角質をとるだけでは「予防・改善」はできない
過度なピーリングは
・肌の炎症
・色素沈着の悪化
につながることがあります。
基本は紫外線対策と保湿を中心に行い、角質ケアは肌の状態を見ながら慎重に取り入れることが大切です。
2:肝斑
頬骨あたりにぼんやりとした薄い褐色が広がっているものが肝斑です。まれに額や口の周辺に現れることもあります。
多くは女性ホルモンのバランスの乱れやストレスなどが発症の原因だと言われています。有効な対策としては、色素沈着を抑制する効果をもつ「トラネキサム酸」の服用や、この成分が配合されたスキンケア商品を使ったケアをすることがあります。
また、肝斑は体の内面からの影響で現れることが多いのですが、紫外線を浴びることで色が濃くなってしまう可能性があります。
一般的なシミと同様に日頃からの紫外線対策を行いつつ、こすったりするような摩擦からの刺激も避けるようにしましょう。
左右対称に現れやすい点も、肝斑の特徴です。
3:炎症後色素沈着
ニキビや虫刺され、キズなど肌に炎症が起こった後、その炎症部位に色素沈着してできるシミのことです。茶色から灰色の斑点やくすみが残り、時間とともに自然に薄くなることが多いですが、炎症の程度によっては長期間消えない場合もあります。紫外線を浴びると濃くなりやすいため、紫外線対策をしっかり行い、摩擦などの刺激を避けるようにしましょう。
ハイドロキノンやビタミンC誘導体、トラネキサム酸などを配合したスキンケア製品で保湿をしっかり行うこと、ピーリング石鹸を使うこともおすすめです。
医学的には Post-inflammatory hyperpigmentation(PIH) と呼ばれています。
日本人を含むアジア人では特に起こりやすい色素異常です。アジア人の肌は、メラニンが反応しやすく、炎症のあとに色が残りやすい傾向があるため、ちょっとした刺激でもシミとして定着しやすいことが知られています。そのため、日頃から刺激を避け、炎症をできるだけ早く落ち着かせるケアが大切になります。
4:雀卵斑(ソバカス)
雀卵斑はいわゆるソバカスのことで、頬や鼻の周りの顔の中心部に多くみられる、直径数ミリ以下の丸い小さな形をしたものです。
多くは幼少期から出始めて、思春期の頃に最も濃くなり、その後次第に薄くなっていきます。
遺伝的な要素もありますが、紫外線を浴びすぎるとメラニン色素が増え沈着しやすくなります。そのため、ソバカスも他のシミ対策と同様、日頃からしっかり紫外線対策を行なうことが大切です。
また、雀卵斑は遺伝的な影響が素因が非常に強い色素斑で、メラノサイト(メラニンを作る細胞)の数は正常なまま、メラニンを作る働きが活発になることが主な特徴です。
5:母斑
母斑は、紫褐色や青みがかったあざのようなもので、頬骨や目の下などを中心に現れるものです。通常のシミより深部にあることが多く、遺伝的な場合が多い母斑は生後間もなく発生する人もいれば、年齢関係なく突然発生する人もいます。まだ明確な原因が分かっていないですが、現在では医療機関で行なうレーザー治療の技術も進み、薄くすることが可能になってきているようです。母斑にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や現れ方が異なります。まずは、ご自身のシミが母斑なのかどうか、クリニックで診断を受けてみると安心です。
母斑には複数のタイプがあり、それぞれ原因や特徴が異なります。
● 太田母斑
片側の頬や額、眼の周囲に、青〜灰色の色素斑が出現するのが特徴。思春期に濃くなることがあります。
● ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
成人以降に発症することが多く、両頬に細かい青〜茶色の斑点が左右対称に現れます。
● 色素性母斑
いわゆる「ほくろ」に近いタイプ。メラノサイトの増殖により生じる良性の色素斑です。
これらは真皮内メラノサイト(メラニンを作る細胞)が関係しており原因で、スキンケアだけで改善することは難しいとされています。母斑の治療には、医療用レーザーが使われることが多く、母斑の種類や深さによって、必要な回数や期待できる効果が少しずつ変わってきます。
シミにはさまざまな種類があり、原因やケアも異なります。自己判断が難しい場合も多いため、気になる変化があれば早めに専門医へ相談し、ご自身に合ったケアを見つけるとよいでしょう。

監修:COCO MEDICAL CLINIC(ココメディカルクリニック) 泉 さくら 院長
【所属学会】日本皮膚科学会皮膚科専門医
【所属学会】日本皮膚科学会皮膚科専門医
最終更新日: 2026年2月20日
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